市会

 日本の古書店の多くは、全国古書籍商業協同組合という組織に加盟しています。

わが梁山泊は、大阪と京都に店舗があるため、大阪組合と京都組合に所属しています。

 大阪組合でも京都組合でも、週に2回くらい「市」というのが開催されます。
「市」というのは、古書組合に加盟している業者だけが参加できる、オークションの様な物といえばわかりやすいでしょうか。(関係者以外は参加できない上、基本的には業者の仕入れの場なので、いわゆるオークションとは少し違うと思いますが)

ここで、自分が持っている物を出品して他の業者に買ってもらったり誰にも買ってもらえず歯噛みしたり、他の業者が出品した物を、希望者同士で競りあって落札したり落札できずに歯ぎしりしたりします。

今日は古典会という、江戸期以前の物が多く出品される市が大阪でありました。

市には「振り」「置き」「回し」「椀伏せ」など方式が様々あり、会によってやり方が違います。

大阪古典会では、「振り」と「椀伏せ」の併用式で、独特なスタイルなのですが、個人的にこれは参加していて楽しい。

★碗伏せ

1、振り手(市を仕切る人)が商品の簡単な説明等口上を述べる。

2、希望者は入札額を札に書いて、周囲に見えない様に伏せて、振り手にポイっと放りなげる。

3、札が出揃ったら振り手が確認し、一番高い値段を書いた人の落札を発声し、その人に商品を渡す。

(今は紙の札ですが、昔はお椀の中に数字を書いて伏せて使用したため、椀伏せと呼ばれるそうです。)

★振り

1、振り手(市を仕切る人)が商品の簡単な説明等口上を述べる。

2、振り手が発句(開始値)を言う。

3、希望者同士が、声を出して値段を競り合う。

4、競り合う片方が声を出すのをやめると、その時点で終了。振り手は、最後まで声を出していた人の落札を告げ、その人に商品を渡す。

(古書業界ならではの用語ややり方がありますが、1,000円、2,000円、と声を出して値段を競り合っていく様は、魚市場などと共通する部分もあると思います。)


札を投げたり、声を出したりして、同業者に競り勝ってほしい物を落札できた時は、独特の喜びがあります。

おわり