長文の愚痴、あるいは記録

なるべくなら、なるべくなら、(長渕調で)悪い意味でのお役所仕事的、杓子定規な接客はしたくないと思っておりますが、何分人間が出来ていないため、やり取りの末に態度を硬化させてしまうことがたまにあります。

数週間前、店頭にてお買い上げの書籍の発送をご希望されるお客さまがおられました。

(小店では別途送料を頂ければ一冊から発送いたします。)

通常通り送り状(発送伝票)に住所氏名電話番号のご記入をお願いしたところ、これを頑なに拒否される。理由を伺うと「いつも発送を頼んでいるのだからそちらで調べて記入しておいてくれ」とのこと。

その方のご来店は何年かに一度という頻度なのでこちらの記録を探しだすのには大変な時間がかかる上、見つからない際のトラブルも考えられるのでお断りしたいのですが、お客様に対して「あなたはたまにしか来ないのだから最近の記録には残っていない」とも言えず、

「確実にお届けするために、ご自分でのご記入をお願いいたします」

と言うと、(今思えばこの言い方にもやや杓子定規な響きがあることは否めないですが)

「もう一人の女性の店員ならそんなことは言わない」
「よその店ではそんなこと言われない」

とおっしゃいます。
ここからはこの一点張りならぬ二点張り。

「明日の午前に着く様に送ってくれ」

「今日はもう集荷が終わってしまって、明日付けの発送になるので明日の午前着は無理です」

「よその店ではそんなこと言われなかった」

「そう言われましても…」

「もう一人の女性の店員ならそんなことは言わない」

このへんで私の間違った江戸っ子気質「俺っちのやり方が気に食わねえならけえってくれ」的な心根にじわじわと火が着きはじめます、が、そこはぐっとこらえてやりとりするものの、押し問答が続きます。

とにかく明日の午前着指定と書け、書けと言うなら書くが確実に届かない、よそではそんなこと言われたことない、そう言われても祝日だしもう集荷は終了している、よそではそんなこと言わない、と押し問答が続き、もう少しで「よそはよそ、うちはうち」と叫ぶところでしたが、ぐっとこらえて、「そこまでおっしゃるならとにかく"明日の午前着希望それが無理であればその翌日の午前着希望"、と備考欄に書くがそれでどうか?」と提案すると、こんなわからず屋の店員に何を言っても無駄だと言わんばかりの態度で「もういいようにしてくれ」とおっしゃる。

頭の中に、某I書店さんが理不尽な客に対して本の代金を投げつけて返し、本もくれてやるから二度と来るな、と言ったという話がよぎり、完コピしたい衝動に駆られましたが、どうにかこらえて、無愛想に「それではそうさせてもらいます。ありがとうございました」とやっとの思いでつぶやきました。

慇懃にも頑固にも徹することが出来ない私は、模範店員にも名物親父にもなれない小市民であるなあ、と実感した日でした。

この出来事から得られる教訓や反省はいくつもあると思いますが、長くなりすぎたのでまた次回に。

おわり