いのこり

10月上旬は、前述の天神さんの古本まつり、京都古典会大市、そして我が阪急古書のまちの37周年目録の〆切が重なったため、大変忙しかったです。

いつも店で残業をしていると、9時か10時くらいに梁江堂のTさんが「何してんの、はよ帰りや」と寄っていかれたり、近くで飲んでいた知人が赤い顔をして訪れたり、運がいい日には飲んだ帰りであろう人が本を買っていってくれたりします。

そして日付をまたぐと阪急の警備の方が「もうシャッターを閉めますよ」と声をかけにきてくれるのですが、〆切の直前の数日間はどうしても目録編集が終わらず、無理を言って古書のまちのシャッターが閉まった後も残業をさせてもらいました。

最終日はとうとう朝の6時まで店で作業をして、警備の人に電話をかけてシャッターを開けてもらって帰ったのですが、やむなくやっているとはいえ、深夜に一人で店にいると、なにやら悪いことをしている様な、後ろめたい様な気分になってきます。

日々残業をしているのは小店くらいのものなので、警備の方からは、「さぞ売れてない店なのだろう」「なんて要領の悪いやつなのだろう」と思われていることでしょう。

古物を商う人間は見栄と虚勢を無くしたら終りと聞いております。

食わねど高楊枝、借りてでもある様に見せろ、とも言います。

しつこく居残るのもほどほどにしようと思います。

おわり