ちょっとわかる

考えてみれば少しおかしい気もするが、我々の商売は本を仕入れてきてからその物について調べるということがままある。

仕入れの時はざっくりした概要と、いわゆる「におい」を嗅ぎとって競り落とし、手中に納めてから色々詳細を調べていくのである。(全部がそうではなく、相場が判明しづらい物に限る)

この調べていく過程がスムースに運び、かつ詳細な調査でしかわからない新情報が判明すると、とても楽しい。
しかしこれが難航すると、張り切って仕入れた物は途端に何だかよくわからない物になり、倉庫に放り投げられ、ひどい場合は「どこいったかわからん」ということになる。

身近に心安い上司や先生や先輩がいれば色々質問も出来るが、当然ながら何の知識も無く「これは一体なんなのでしょうか?」と聞いても失礼な上に自分にとってプラスにならないので、やはり自分自身で色々考えなくてはならない。

自分がまったく何だかわからない物は買えないし、わかりきった物はありふれていて売れない物であることが多い。

「わかりそうでわからない、ちょっとわかる」という少し前流行ったラー油の様な物(?)を買えた時が一番たのしい。