ヨーロッパ⑦パリ2日目続き

閑話休題
(今まで誤解していたのですが、閑話休題とは話を本線に戻す時に使う言葉なのですね。脱線する時の慣用句だと思っていました。)

パリ2日目その2

蚤の市ではその後、かなり敷地の広い古書店に行く。
正直に言って、そんなに大した本屋があるはず無いだろうと冷やかし半分で入ったのだが、多分野に渡るかなり充実した品揃えで、雑然とした店内ながら(これは古書店の宿命)、実は細かくジャンル分けされた陳列、そして1冊1冊の本の状態がいい。硫酸紙やビニールを巻くべき物は巻き、過不足なく本が整えられており、見習いたいと思った。

日本に関する書籍をリクエストすると、大変感じのいい女性店員とその父君と思しき男性が次々と本を持ってきてくれる。

私含め数人が談笑(といっても単語とボディランゲージ)しつつ値引きしてもらい、何冊かの洋書を購入。

承諾を取った上で店内を撮影させて頂くと、女性店員が「これで私もムービースターの仲間入りね」とおどけてくれるので、日本に帰ったら映像を送ることを約束して店を後にする。(まだ果たせず)

その後、自由行動となり、F書店HさんとY堂Kさんと共にルーブル美術館に赴くが、その敷地のあまりの広大さと行列が嫌になり、また恥ずかしながら中世美術やルネサンス美術にさほど関心が無いことを棚に上げて、誰でも行くルーブルより個人美術館が見たい、と何やら訳知り顔の自分が心の中で囁くので、恐縮ながら別行動をとる。

しかし、地図を片手にピカソ美術館を訪れるも修復中の為休館。近くにあるユゴーの家も休館。

さてどうしようかと思案するため近くの空き地というか庭園というか、恋人たちの語らいの場所の様なスペースのベンチに腰を下ろし、また地図を眺める。

そういえば、パリといえばモンパルナスなのではないか、直接関係ないが前に元上司であるK書店さんから池袋モンパルナスという本も借りたし、と思い、地下鉄に乗ってモンパルナスにある墓地を目指す。

幸い海外でもつながる携帯電話で調べたところ、一応観光地扱いらしく、入口で墓地内の分布図をもらえるとのこと。

スムースに辿り着いた墓地の入口で、おっかなびっくり「Can I take a map?(文法合っているのか?)」と言ってみるとsureとか言われて笑顔で地図を手渡してくれる。

しかし、まず探そうと思ったボードレールの墓がどうしても見つからない。困ってベンチに座っていた老人に尋ねるも、どうも要領を得ない。あきらめて次に行こうか考えていると、体格のいい中年男性が声をかけてきて、「俺にまかせとけ」的なノリで案内してくれる。

その知名度にも関わらず、かなりわかりにくい場所にあり、手入れもされていない彼の墓碑を見て複雑な気分になるも、一応写真を撮る。

【追記:帰国後、写真を見返してどうもおかしいと思い調べたところ、私の発音が悪かった様で、彫刻家のアントワーヌ・ブールデルの物だったと判明。ボードレール氏、ブールデル氏、そしてその信奉者の方、すいません。】

(不謹慎かな、日本の恥かなと思ったのですが、後日訪れたジム・モリソンの墓では現地人もバシャバシャ撮影しており、この場所に於いてはまったく問題ない行為の様です。故人がどう思うかはともかく)

↓誰のお墓か当てて下さい。

また続く。