古筆

昨年くらいから少しずつ、いわゆる古筆切に手を出しているのですが、これに仲々手こずっております。

昔は古筆といえば平安・鎌倉までを指したらしいのですが、現在では室町から江戸前期くらいまでの物も古筆と呼ぶ様で、一枚単位であれば比較的手が届き安い額の物も多く、時代考証、筆者の見極め、くずし字の解読、そして真贋の見極め、と、いわば古典籍を扱うのに必要な要素がギュッと詰まっているとも言えるものなので、以前から勉強したいとは思っていたのですが、やはり私ごとき文学や仏教の素養が無い者には険しい道です。

古筆には極め札が付いている物も多く、これを頼りに調べていくと比較的見当がつけやすいのですが、この極め札の伝承筆者も間違っていたり、極め札の贋物もあったりで、とてもややこしい。

また、古筆切とはつまり断簡、悪くいえば切れ端なので、途切れた文字から出典(というかタイトル)を導き出すのも一苦労です。

時間がある時はそれが楽しいのですが。

(伝石山杲守僧正 玉葉集切 鎌倉末期写 神田道伴極)