捕鯨について

ちょっと鯨のことについて昔から思っていることがあるので、突然ですがこの場を使って意見。

最近、あるテレビ局から鯨料理のことについて出演の依頼があったのですが、
(このブログに以前、漫画「美味しんぼ」のことについて書いた為)
時節柄中止になってしまいました。

日本は国際司法裁判所から調査捕鯨中止の判決を出されましたが、
大変遺憾に思います。

日本が調査捕鯨の対象種に指定しているミンククジラ・イワシクジラナガスクジラ
年々増加していることは、もう20年以上前からデータが出ていることです。

グリーンピースの広報的な立場にあるビル・フリーゼルは、日本が挙げる鯨増加のデータを恣意的であるとし、

「クジラの生態調査は、例えば人間が玄関のインターホンを押してアンケートに答えてもらう意識調査のようにはいきません。通常はボートの上から一瞬見えたクジラを記録し、発見した位置や状況から数学的に割り出した生存数を「見積もる」のです。しかしこの方法だと実際の数字と乖離している可能性が非常に高い。同じクジラを2回カウントしている場合もあり得ますからね。豊富な経験を積んだベテランの研究者でも、クジラの生存数に関して確実なデータを取ることはできないのです。」

という発言をしていますが、
「その理屈では”鯨が減少している”というそもそものデータが信用できないのではないか」
という一言であっさり反証できると思う)

また、その鯨を食べることについてですが、
まず一国の食文化に他国が口出しすることは本当に愚かしい行為だと思う。

私は先日、東京で鯨の竜田揚げを食べましたが、
そのことについて後ろ暗い気持ちは露ほどもありません。

可愛いから、賢いから、と言った理由(いわば主観)で、
他国の人間に大して本気で感情的になれる気持ちが私にはまったく理解できない。

例えば中国では(日本では一般的に可愛くて賢いとされる)犬も猫も当たり前に食用にされています。
私は個人的にそれはちょっと遠慮したいというのが正直な意見ですが、
そのことについてこちらの主観で判断するのは愚かだということを知っています。
それは、その国で続いた食文化だからです。

愛牛協会というのを立ち上げて、アメリカに対して、
「あんなに可愛い牛を食べるなんて非人道的だ」と主張したならば、
彼らは一体どう反論するのでしょうか。

さらに、最近知ったのですが、2014年から行われているアメリカの軍事実験で、
重症を負う鯨・イルカが11267頭、方向感覚を失うなどの異常行動をきたす個体は2000万頭である、
というデータを、米海軍自身が発表しているそうです。

映画「THE COVE」がヒステリックに訴えた、太地町のイルカ漁の漁獲高は年間で1600頭前後。

しかも、太地町は昔から産業として、文字通り食べるためにやっているのですが、
米海軍の行為は本来の実験の目的ですら無い、無意味な虐殺です。

捕鯨問題を純粋に外交手段として利用しているだけならば、100歩譲ってまだ理解出来るものの、
本当に感情で鯨やイルカを食べることは悪だと思っている人たちは理性的に物事を考えることが
出来ない馬鹿としか言いようが無いと思う。

最後に、「すでに国際問題になっているのだから、たとえ無根拠であっても鯨をとるのはやめた方がいいのではないか」という考え方について、件の「美味しんぼ」の捕鯨問題についての回から引用。

「外国からの理不尽な要求を単に経済的な利益だけを計算して受け入れるのが真の国益になるでしょうか?それでは、日本は経済的な利益のためには理屈の通らないことでも受け入れると外国から軽んじられることになるでしょう」

もうすでにかなり軽んじられている気がしますが。

めずらしく真面目なことを書いてしまいました。
しかし私は日常的では無いにしろ、これからも機会があれば鯨を食べます。確実に減少しているマグロだって食べる。