GKM

最近は大変GKM(激務)でして、時給換算なら給料袋が立ちそうです。
誰もくれませんが。

もっぱら自宅での作業と各組合への出入りばかりで、あまり店に顔を出していないのですが、
合同目録「萬巻」がようやく一区切りついたので、今日は夕方から店番をしています。

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この間、完徹明けに京都古典会の仕事という日が何度かあったのですが、
そんなヘロヘロな中の仕事のひとつに、大市の目録編集というものがありました。

目録と一口に言っても、合同目録、自家目録、市会の目録と、それぞれ違いがありますが、
同時期にこの3つの編集に関わったので、色々と考えてしまいました。

要するに、効率についてです。

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まず合同目録ですが、今回の「萬巻」の内写真ページの一部は私がデータ作成をしています。
そして、自家目録も自分でデータ作成しています。

このデータ作成とは要するに、印刷屋に版を組んでもらう工程を自分でやるということで、
メリットは作成費用が安くつくこと、そして自分のイメージ通りのページが作れること、があります。

私はこのやり方を藤沢書店K兄さんに勧めて頂き、当時クライン文庫さんで働いていて、
現在は天神さんのチラシ・ポスター等をお願いしているI嬢からソフトの使い方の手ほどきをして頂き(感謝)、
いまの私の仕事の大きな部分を占めている作業になっています。

ところが、従来の古書店の目録作成とはこれとは大いに異なる作業で、
いわゆる短冊原稿と写真を突き合わせ、並びとレイアウトを指定して、印刷屋に渡して版を組んでもらい、
校正で手直しをするというのが一般的です。

今回、大市の目録作成では同人が集まって、この後者の作業をしたのですが、
50ページほどの冊子作成が実質1日かからずに完了したのを目の当たりにして、
自分がやっていることの効率の悪さに疑問を持ってしまいました。

もちろん実動員数も手際も違う上に、自店の看板を掲げて品揃えや値段、本の並び等にこだわる前者の目録と、
市会の出品案内目録とは質が違う物なので、単純には比べられないのですが、
同人誌でも作っているならともかく、画像の切り抜きやスキャン待ち、フォントの変更や文字を1ミリ横に移動するか否か、
等々、およそ古書店の仕事の本質とはかけ離れた部分に気がつけば数時間費やしているといった様な現状は如何なものかと思う今日この頃です。

働けど働けど我が暮らし楽にならないのは利益に繋がらないことばかりに時間をかけているのだから当然なのでした。

と言いつつも、目下、自分の理想に近いクオリティの物を作れる上に最も低コストな方法は、
現在のスキャナ+イラレ+フォトショというやり方がベストだと思っているので、当面はこれでやっていきます。

今はまだ体の無理がきくので、若い内に頑張って、将来は優秀なオペレーターでも雇いたいと思うのでした。

目先の利益にとらわれず、いい仕事をしたいと思う。
因小失大という言葉もある。

引喩失義。

おわり